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感性を育む空間 ~頭のよい子が育つ家~

感性を育む空間 ~頭のよい子が育つ家~_c0204394_23375466.jpg平成21年5月10日(日)、三岸節子記念美術館において、講演会とトークディスカッションを行いました。
第1部の講演会は、 「頭のよい子が育つ家」の著者のお一人、渡邊朗子さんのお話、第2部のトークディスカッションは、渡邊朗子さん、元外交官で現在は子育ての真っ最中でもある語学教師の杉本尚美さん、そして建築家としての立場で一宮支部長が加わり対談を行いました。
託児室を用意し保育士の待機も依頼しました。建築家が催すセミナーなので託児室はアート空間をと構想しましたが、準備不足の為建築展とともに断念しました。

 まずは講演会です。「頭のよい子」とは「心のよい子」。その為には、子と親の気配を感ずる関係を育むことが大切。情報を共有する大きな掲示板や、学習・家事・書斎と多目的に使える大きなテーブルなど、子と親の気配の感ずる仕掛けや回遊できる空間が望ましいようです。自然と対話する縁側、子供の成長を記録する柱の傷など、自然環境との気配や家族の歴史との気配を感ずる仕掛けが人の感性を育むとのこと。住まいは完成させないで、不具合や家族構成の推移に応じ手直しを行うことで、多くの事を学ばせてくれるとのことです。
 続くトークディスカッションでは、パネラーの杉本尚美さんより、オランダ滞在での住まいと街並みの話題を語っていただきました。ワークシェアリング発祥の地とされるオランダは共働き夫婦が多く、その収入は0.75×2人=1.5。残る0.25は子育て、そして0.25は住まいづくりに費やすとのことです。ボートを所有する世帯も多くサマータイムには家族で6時頃からセーリングを楽しみ、お金を使わず子供と過ごすとのことです。会場からの質問をネタに3者からの意見交換を行い、最後に「頭のよい子」とはどんな子かを尋ねました。自らの頭で考え行動を興せる子(谷)、順応性・協調性・解決能力のある子(杉本)、自分だけでなく廻りも幸せを育んでいける子(渡邊)と、それぞれの所感が述べられ終演しました。
 子供の人格の形成に少なからず影響のある住まいや建築について、改めて重責を感ずると共に建築の発注者にも認識を求めたいと感じました。建築の新たなテーマを突き付けられた想いです。