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耐震改修技術セミナー「耐震スプリング工法研修会」_c0204394_204820100.jpg耐震改修工事も随分一般的になりつつあり、一時は乱立気味なほど雑多にあった耐震改修工法ですが、ここにきて費用や使いやすさで評価を獲得した数種類の工法に収斂しつつある気配です。また愛知県では大学と連携をとり、廉価にできる耐震改修工法の研究を重ね、毎年そのメニューを増やしています。そんなメニューの中からセレクトして、耐震改修技術セミナーを開催しています。今回でかれこれ10回近くを数えるでしょうか。

一般の皆さんに参加をしていただいても構いませんが、広報する術もありませんので、一宮支部会員の他には一宮市の木造住宅無料耐震診断に従事する耐震診断員の皆さんに告知して、参加者を募っています。専門家向けのセミナーですが、どなたでも参加いただけますので、もし関心を持って頂けるようでしたら事務局までお問い合わせ下さい。今後ご案内をさせて頂きます。
2011.8
リフォームの時こそ耐震補強を_c0204394_9562396.jpgこれまで多くの耐震改修の実施例を見ますと、耐震改修の方法は似通っています。
先ずは外壁の補強を優先的に進めます。外壁に張ってある板金を剥がし、むき出しとなる柱と梁に金物を取り付け、筋交いを入れ、構造用の合板を張り・・・と、卵が固い殻で覆われているように、建物も周囲を固めます。それでも足りない壁は、押入や納戸の壁を補強して補います。また、2階が載る部分の1階の壁を補強するのは効率が良い方法です。その他、屋根を軽くするのも耐震評価を向上させます。土葺瓦を桟瓦に葺き替えたり、板金屋根にしたりと。

さてここで、声を大にして言いたいことは、「外壁や屋根をリーフォームする時は耐震補強をする絶好のチャンス!」ということです。アアそれなのに・・・・、外壁を張り替えてから耐震改修の相談をなさる方が何と多いことか。ただただ唖然としてしまいます。なぜリフォームと同時に耐震補強をなさらないのか。耐震補強そのものは、数百円の金物を、数は多いのですがただビス留めするだけなのです。一枚千円なにがしの構造用合板を釘打ちするだけなのです。費用がかかるのは仕上げ材の取り外しと、再度の仕上復旧の為のリフォーム工事なのです。

「外壁や屋根を改修するときこそ、耐震改修工事のチャンス!」なのです。少しだけ費用を上乗せすれば、耐震強度を格段と向上させられるのです。
2011.6
萩原町 街と建築 魅力展_c0204394_16285971.jpg
2011年3月12~13日「萩原町 街と建築 魅力展」を開催しました。
会場:美濃街道萩原宿に建つ町家「角田家」
内容:写真家からのメッセージ 末松文氏(写真家)
    美濃街道と萩原宿:神田年浩氏(一宮市尾西歴史資料館学芸員)
    町屋(角田家住宅) 建物解説と見学:岡田義彦氏(元高校教諭)
    萩原町街並み見て歩き:田内雅弘氏(元萩原小教諭)

萩原町 街と建築 魅力展_c0204394_16305077.jpg萩原の町は、明治・大正・昭和と各時代の建物が混在する、他では見られない特徴があります。
美濃路の宿場町としての町割を今でも残し、濃尾震災後の明治・大正の町屋や、繊維産業隆盛時ののこぎり屋根工場及び商店街の店舗建築、さらに豪商の住まいや蔵など、近代建築を眺めて歩くには格好の場です。
開催までの準備段階では、近隣の商店や商店街そして地元街づくり組織より広報に対して多くのご協力をいただきました。おかげさまで両日とも多くの地元の皆さんの来場をいただきました。
萩原町 街と建築 魅力展_c0204394_1631165.jpg女性カメラマンによる萩原の街並み写真展では参加者の皆さんと意見交換を催し、地元の人と余所から訪れた人との異なる視点での話題で大いに盛り上がりました。その後は会場となった建物の解説と見学会、そして引き続き萩原の町歩きと、予定時間を大幅に超えたにも拘わらず、多くの皆さんに最後までお付き合いを頂きました。感謝申し上げます。
萩原町 街と建築 魅力展_c0204394_1631943.jpg2011.3
各都道府県に建築士事務所協会はあり、その全国組織は社団法人日本建築士事務所協会連合会と称します。愛知県には社団法人愛知県建築士事務所協会が設置されています。県下に11支部を有し、その一つが一宮支部です。一宮支部は一宮市・稲沢市・犬山市・江南市・岩倉市・扶桑町・大口町を所管地域としています。

指定事務所登録機関
これまで都道県が行ってきた建築士事務所の登録業務を、平成20年から建築士事務所協会が行うこととなり、(社)愛知県建築士事務所協会も指定事務所登録機関となりました。また、約5年ごとに実施される建築士事務所への立ち入り検査も、都道府県になりかわり会員建築士事務所に限り自分たちで検査を実施することになりました。さらに建築主から建築士事務所の業務に関する苦情に対して、その相談に応じ処理する義務が課せられ、該当する会員建築士事務所にはその対応を求め、同会員建築士事務所はそれを拒めないことになっています。業務違反の会員建築士事務所に対しては指導勧告をする権限も持っています。

会員建築士事務所の信頼度アップ
国は建築士事務所の団体による、自律的な監督体制の確立を目指しています。
(社)愛知県建築士事務所協会は会員建築士事務所のモラルを高め、建築主の皆さんから安心して建築の相談をいただけるよう体制を整えています。
建築士事務所をお探しの建築主の皆さん、一度お問い合わせ下さい。御希望の建築士事務所をご紹介致します。
2010.12
 長期優良住宅が話題となっています。猫も杓子も・・・。
 ストック&ビルドの日本の住宅事情を変換し、長期にわたり使い続けられる住宅を残そうという政策で、特に親族への引き継ぎだけではなく第三者へも流通させようとしていることに特徴があります。

 「200年住宅」などと一時はPRを展開していましたが、流石にそれは根拠が無いので近頃ではさほど聞かれなくなりました。国土交通省によれば、「100年住宅」という言葉ははこれまでに見聞きするので、インパクトがあるよう「200年住宅」としたとのこと。「100年住宅」でも無責任に思えるのに、「200年住宅」と広報するのはどうかと思います。

 長期優良住宅の技術基準を眺めると、まだまだ発展途上であることは歪めません。認められるメニューが少なすぎて、合板と釘と金物の住宅でないと認められにくい内容です。無垢材の活用や釘や金物を使わない伝統的な木造技術は、既に100年を超える実績が各地にあるにも拘わらず認めらず、大いに疑問を感ずるところです。

 長期優良住宅とは、結局のところメンテナンスのし易い建物のことと考えます。メンテナンスがし易いということは、50年後でも100年後でも、手軽に手に入る建材を使い、特殊な職人でなくても修理のできる構造の建物です。合板の接着剤が変わらずに強度を保ってくれるのか、釘や金物が錆びずにいてくれるのか、石油系の断熱材や防湿フィルムが、溶けないで存続してくれるのか。

 充分な検証と説明が行われているのかどうかよく判りませんが、長期優良住宅の技術基準は発展途上です。現在の基準を鵜呑みにすると、私達は知らずして消費者に対し加害者になってしまう恐れもあります。目先の氾濫する情報に惑わされることなく、先人達の経験と実績を元に自らが判断したものを消費者に提供することこそが、長期優良住宅への確実な道のように思えるのです。